一昨年の年末だったか。
ジェネレーション・ジャングルに出ていた奥山氏をその時初めて知った。
その番組のその日のテーマは
「自殺を肯定出来るか否か」
その中でリーサルウェポンの如き使われ方で登場をしたのが奥山氏だった。
31歳で「命の期限を切られた」男。
その事実は、やはり最終兵器のような重みを持って迫ってきた。
HPで闘病記(一般に言われているものとは手触りが違ったが)があると聞き、
検索エンジンで探して読みに行った。
余命宣告をされた若いガン患者のそれは
驚くほどドライであった。
事実を淡々と語る日記。
病状を深刻に語るわけでもなく、本当に淡々と。
後は、ゲームやら本やら仕事やらの話。
家の裏に建築中の家の話。その他色々。
それから約1年4ヶ月。
彼の最後の言葉は死の数時間前だったという。
死にたくないな。
書店で会いたい。
本屋でセットで買ってくれ。
正直に言うと、大ファンだったわけではない。
本も実際買ってはいない。
が、その強さにいつも力を貰っていた。
果たして自分は余命宣告をされた後も
こんなに強くこんなに軽やかに生きていけるだろうか。
いや、恐らく軽やかだったのは「Blog上だけ」のだったであろう。
だとして、こんなに淡々と振る舞えるだろうか。
自分には多分無理。
もっとわめくだろう。もっと同情を引こうとするだろう。
不安を撒き散らすだろう。
「いつ死んでもいい」
そう言っていた彼が最後に残した言葉。
「死にたくないな」
彼のBlogが更新される事はもうない。
大ファンではなかったけれど、いつも気にしていたよ。
ありがとう、お疲れさま。
※4/20追記
故人の名前を間違っておりました。
修正させて頂きました。申し訳ありませんでした。
そういう方もいらっしゃるんですなあ。
わたしは自分が死ぬのはそんなに怖くない(と思ってるだけかも)んだけど、
近しい人に死なれるとつらいだろうなあ、
というところの方がとても重みを持つと思ってる。
多分ね、あっち側に行くのはそんなに苦しくないと思うんだ。
それは自殺を肯定する意味では全然ないよ。
大島弓子の「化け猫」(正式題名失念)に、そのへんが暖かく描かれてた。
あなたのおかあさんも、わたしの弟も、奥山さんも、
あちらで日なたぼっこしながら美味しくお茶など召し上がっているんだろう。
もう会えないのはつらいけど、
生きててももう会えない人だっているわけだし。
混乱したコメントですまん。
Posted by: ぼの at 2005/04/20 04:29otamaさんのリンクから奥山氏を知り、「31歳ガン漂流」を読みました。
て言うか、購入してさっと斜め読みしたままなんですが。
それでも、popで知的でセンスのいい方だなぁと言う印象が強く残りました。
ガンがうんぬんというよりは、そのサブカルに対する豊富な引用に「むむぅ、やるな」とミョーなライバル意識を感じたりして。
そうですか。
お亡くなりになりましたか・・・。
月並みですが、ご冥福をお祈りします。
そして彼の存在を知らせてくれたotamaさんにも感謝しています。
ありがとう。
ワタシは昔「死ぬのが怖い病」=「心気症」になったことがあって、
今自分のどこで癌が進行しているやもしれんと思って、
大病院はしごしたことがある。あの時はホント怖かった。
今となれば死ぬのは余り怖くないって言うか憧れでもある。
でも今は背負うものが多くなって、成長が楽しみな子供や、
恥ずかしいけれども愛する夫なんかもおって簡単に別れられないのが本音。
私が癌を告知されたら取り乱すだろうか。なんてことも考える。
きっと取り乱すだろなぁ。それだけワタシはこまい人間だよ。
故人の名前、間違って書いてしまって鬱・・・。
>ぼのさん
あっちの世界が怖いわけじゃないんだけど
「いた」はずの人がいなくなってしまうのはやっぱりツライね。
コミュニケーションとか取れなくなっちゃうのがね。
後やっぱどうしたって未知の世界だから
期限切られる(余命宣告)と、やっぱビビリそうな気がします。
>カヲルさん
オシャレにサブカルが好きな人でしたねぇ。>奥山氏
ウチのリンクから本を買ってもらったとは。
リンクを張った甲斐があったというものです。
>アンジー
概ねの人間は何かしらの衝撃を受け、そして取り乱すと思うよ>余命宣告
人間、みんなコマイっす。
しかし、心気症っていうの?それも大変だなぁ。
不安感ってホント自分自身では如何ともしがたいよね。
とりあえず執着したり、未練たらたらだったりして
人間らしくコマく生きていきたい私でしたよ。
小心者万歳だ。
そうですか、亡くなりましたか。
ここだけの話ですが、自分、奥山氏とはXXのXXがXXです。
その縁で最初の本は買いました。